前回に引き続き、自民・公明両党からが発表されました令和7年度与党税制改正大綱について解説します。

具体的な改正には、所得税の基礎控除引き上げ、新たな控除の創設、スタートアップ支援、子育て支援税制の拡充が含まれます。

今回は多くの企業や個人に影響が及ぶと思われる項目についてご紹介します。

個人所得課税

• 基礎控除と給与所得控除の引き上げ（令和7年分以降）所得税の基礎控除額が現行の48万円から58万円に10万円引き上げられます。また、給与所得控除の最低保障額も55万円から65万円に増額され、いわゆる「103万円の壁」が123万円に緩和されました。
• 特定親族特別控除の新設（令和7年分以降）19歳から23歳の扶養親族を持つ納税者が最大63万円の控除を受けられるようになります。
• 生命保険料控除の見直し（令和8年分以降）23歳未満の扶養親族を持つ場合、新生命保険料控除の限度額が4万円から6万円に引き上げられました。
• 確定拠出型年金の拠出限度額増額企業型・個人型共に上限が見直され、老後の資産形成を促進するために引き上げが行われました。

資産課税

法人版特例事業承継税制の役員就任要件が緩和され、贈与の直前までに役員に就任していればよいと改められました。

法人課税

• 中小企業者等の法人税軽減税率の延長中小企業の課税所得800万円以下部分について、法人税率15％の適用が令和9年度まで継続されます。ただし、所得金額が10億円を超える場合は見直しが行われます。
• 防衛特別法人税（仮称）の新設（令和8年4月1日以降）防衛費の財源確保を目的として、法人税額に対して4％が課される新税が導入されます。中小法人には課税標準額から500万円を控除する制度が設けられています。

まとめ

今回の税制改正大綱では、多岐にわたる改正が含まれています。

＜参考URL＞https://storage.jimin.jp/pdf/news/policy/zeisi_2025.pdf

（自民党HP；経済成長と豊かさが実感できる税制へ　令和7年度与党税制改正大綱を決定）